団塊(兄)世代の心の処方箋
- 2008/04/23(水) 20:17:12
40歳からの「バカになれる脳」の鍛え方 (講談社プラスアルファ新書)
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高田 明和
講談社
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「40歳からの…」と対象をそこにしているのは、やはり、
四十歳にしてアメリカから戻り、その後に彼が処世術として
戒め、成功してきた体験に基づくのだろう。
そして、彼が直近の部下として指導してきた世代および
知人を救ってきた言葉なのだろう。
だからこの考え方および救いの処方箋は、その世代にこそ
特効の期待できる薬であろう。と思う。
私の見てきた当にその世代に特有の苦しみ、苦しんでいる姿を見て、
感じ、告げようとしてきた言葉と重なりすぎで…あまりに似た論理で、
かなり苦笑させられた。
であるから、この本が掲げるように、この教訓を現時点での四十代に
向けても、多くの対象世代の人間を救うことはできないであろう。
むしろ、的外れだ…と感じるはずだ。
もちろん誰一人として救えないなどと言うのではない。時代を超えた
価値の無い書物だとは考えていない。
しかし、やはりこれが、悩みの大勢ではないと思う。
このようにはなかなか考えられない上司との軋轢に疲れて、
このような考え方をむしろ捨てるべきだと考え、逆を実戦
した者の成功を見ているくらいなのではなかろうか…とも思う。
リストラされた者の対象基準やその末路、また、非正規社員の
冷遇を見て、「ほら、やっぱりやらなくて良かった」と、
「こんなものに惑わされて実戦してしまった者の末路はこれだ!」
と、事なかれの処世術に自信を高めていることだろう。そして、
そんな世代の子どもたちが、今、中高生になろうとしている。
「負け組」でない父を尊敬していることだろう。
学歴と受験と事なかれ主義が生きる指針と思い知っただろう。
そして、詰め込みによって、画一化されたこの世代は、
無意識的な共感を、運命のように感じ合って、強く強く
世代間の団結にでるだろう。
この世代は、半世紀前の学生運動以上に、政治的発言力を
発揮することになっているはずだ。
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