三つの黒点…その他顔認知について二三(雑記)

  • 2007/12/22(土) 19:47:36


可愛いと感じる目鼻の位置関係。

これは、子供が自らを可愛いと感じさせる事によって生存率を上げる
進化の結果…ってだけでなく、人類が犬と生活を共にするように
なった結果…という見方も出来るのではなかろうか。

と言うのは、犬の突き出た口は、その先端の黒く丸い目のような鼻の
正面から見たそれらとの位置関係は、成長というレベルでなく、
向けられた視線によって瞬間的に変わりうるものだ。

犬の鼻と目が同一線上に並ぶような視線は、その直立する人間に対して
その鋭い嗅覚を働かせ、興味と関心を鋭く寄せている好意の眼差し
そのものであって、その感情の一致と共生による関係のつながりを
強く感じさせるものである。

逆に、両目と鼻とが作る二等辺三角形の垂線がマックスになる視線
というものは、獲物をつけ狙う睨みを効かせた上目遣いの鋭い視線
であり、関係の断絶…敵意そのものを表す。

それらの間に生じる好悪の感情の方が、文化を構築する試行錯誤の
スパンが格段に短くとも蓄積され易いと言い得るものではなかろうか。




それを考証する素材として、もう一つの観点を提示しよう。

日本のマンガ・アニメにおけるキャラクターの横顔の描かれ方だ。

その目先から鼻先に抜けるスキーのジャンプ台のようなラインは、
おおよそ人間らしからぬラインを描いている。人の鼻は…人種によって
多少の差はあっても…、90°の角度がつくなんて事はあり得ない。

漫画誌的に言えば、手塚治虫の擬人化動物のようなものが混入して
定番化していったのかどうか詳しくは調べてはいないのだけど、
そのようなことが言えるのかもしれないけれど、何故それに定着
したのか…という読者心理、大衆の選択抜きには起き得ないそれは、
やはり、人間の内面が潜在的に持っていた仕組み、遺伝的傾向を
持った脳の仕組みにそれが見出せるようなものである可能性を
捨て去ることは出来ない。


もちろん、さらに遡って、そのような脳の仕組みが誕生した起源は、
犬との共生の興り…を飛び抜けて、ヒトも含めたほ乳類全般の
共通の先祖にまで辿れるのかもしれない。

少なくとも、日本人以外の諸外国…外国人を含めた全人類的に
日本のアニメは受け入れられている。そのレベルでの根拠付けが
必要な怪異であると言えよう。このキャラクターの横顔の輪郭線
というものは。


「この輪郭線が何を寓意しているか」
ちなみに、昔から私が考えて結論として落ち着いているものがある。

ヒトの輪郭線を描いてないのは当然であって、ではどこのラインを
描いているのか…というもので、一番それらしいのは、涙の伝うライン
正面から落ちた涙が頬の膨らみを上るそのカーブと、少し奥にずれて
小鼻から鼻先をつないだ線を、輪郭線として描いている。つまり、
眉間から鼻先を突き抜ける鼻の領域をそぎ落としている。

もしくは横顔でなく、鼻先と頬のラインとが接するような絶妙の
角度である斜め顔において、手前の目の目頭から突き抜けて
反対の奥の頬の輪郭線を結ぶ片目を描くときに削ぎ落としている…
相当にピカソっぽいディフォルメだ。


前者に対して。これまで常識では、西欧人の高い通った鼻筋が
例えば芸能界ではカッコイイとされてきたが、これは実は
そうではないことを表しているのではなかろうか。
真横から見て鼻筋よりも瞼の方が飛び出ているような低い鼻を
日本人は嗜好しているのだ。ということ。

後者に対しては、人類はメダルに描かれる胸像に対して言われて
きたことにも有るように、“両目で見る”ことは死の暗示であって、
なるべく片方の目だけでアイコンタクトをとってきた…つまり
反対側の目は見えても無視する…ということが脳内変換によって
なされてきた…というような説明が付きそうでもある。


ここで、アニメで描かれる目で何より異常なのが、あの縦長の目の
表現である。あの目はどのようなディフォルメによって許容され
理解されているのだろう? と考えた事がおありだろうか?

これに対する解釈として、先の両者共に言えることとして、あれは
横顔における目を比較的正確に模写しているのだと言えるのだ。

作者によっては拘りをもって描かれるあの縦長の瞳は、左右対象
ではなく、目頭側と目尻側とで異なる曲線を描いている。あれなどは、
目のレンズ部分の膨らみを模したラインと、瞳の虹彩の輪郭とを
それぞれに描いていると解釈するとピッタリ来るように描かれている。

漫画家諸子は、それを意識していないであろうが、マンガの正面顔は
つまり、横から見た目を正面顔に二つ並べた絵をかいているのだ。


これは、横顔に正面から見た目を描いた、あのエジプトの壁画と
ちょうど反対の関係になっている。

エジプトの壁画が何故あのような技法を選択したのか…にたいしては、
「横顔+正面目」の組み合わせが、人種的特徴をもっとも良く表現できる
手法であると指摘されている。もっとも個性を捕らえられるものだと。

であるなら、裏を返して日本のマンガ技法としての正面顔はその
正反対。もっとも人種的特徴を無効化する技法である…といえるのだ。

こう言うと、日本のアニメが何故に世界的汎用性を持っているのかの
理由の一端が、ここにも指摘されていることがお解りいただけるかと
思われる。