理想の経営者…松下幸之助

  • 2006/07/02(日) 00:20:49

理想の経営者として、今最も注目されているとか。
なんとも喜ばしいことだ。

現政権によって、再び強固な官僚主動体制が再構築されて
しまう前に、このような世論が生まれなかったかと
悔やまれてならない。



松下幸之助。歴史を合わせてみると、彼のような存在は、
今どんな者だろうか…と考えてみる。

松下幸之助とその転生

例えば…彼は、
堺屋太一の見立てでは、1971年。私の見立てでは1976年生まれ。

父が投機に失敗して12歳で丁稚に出たとか。
年齢が少しずれるが、社会人の常識年齢の差としてみると、
バブルに乗せられ父が借金を…大学中に中退を余儀なくされる。
アルバイトの身分で社会人となるも、バブル後の景気対策に
便乗してそこから起業…と見える。

私の見立てで合わせると、彼は中学でバブル崩壊を見ている。
しかし、幸福にもバブル前の健全な社会人を見ている者…と
いったところか。

その後、戦後社会も、戦前の松下少年の時代と同じく、社会も起業は
社員教育をどんどん放棄してゆく。福利厚生もどんどん破棄してゆく。
終いにはリストララッシュ…だ。
それは、松下幸之助33歳頃の恐慌のあおりで世間の社会がリストラに
流れていた時代背景ともピタリと合う。彼はその中で、一人の首も
切らないと言ったとか。

何故何処も、歴史の流れに添った成功体験に学べなかったのだろうか?
目先の成功体験などではなく。…残念でならない。

いや、若い経営者の中で、彼と同じように時代を見、感じ、実行した者も
居るのかも知れない。未だ注目されていないだけで。

若くはない経営者として、大垣の未来工業(だっけ?)という会社が、
リストラを拒絶し、残業禁止をして、健全な社員の労働環境を提供
することによって、バブル後の不景気乗り切っていると数年前
ちょろりと報道されたのを見た覚えがあった。そういえば。
しかし、リストラを発表すれば株価が上がるという非情な状態は、
代わりはしなかった。そのような報道・特集程度では、世間の空気は、
醸成された庶民の意識は、容易に変われないということか。

いや、そのような意識の転変は、当然として知る者にとって、
意図的に誇張されていた…というのが、この時期ではなかろうか。
報道の各局横並びの価値転変を見ていると、そんな気もしてくる。
政治的に利用しやすい都合の良いものとして…。


大人は何時の時代も若者を、…成長した今の自分と対比して、
相対的に劣っているのは当然であろうが…、それに無自覚なまま、
頭ごなしにバッシングをする。
しかし、大阪万博から地球市民と叫ばれる中で育った者の博愛を、
もっと素直に信じてよいのではないか?! と言いたい。
戦中戦後の奪い合いの中で、団塊の激しい競争世界を生きてきた
者には「理解し難い単なる偽善」や「下心に満ちた建前」だと見ずに。
そんな上の世代からの「常識」の前で、この世代は「偽悪者」を
演じなければ生きて行けなくなっている。それすら演じられない者が、
あの頃、多く引きこもったのだろう。

今の10代〜20代は、偽悪者の悪面をも、あたかも社会の本質として
見て育ってきている。ここ5年の政治報道を見ても、嘘吐いて騙して
でも、権力さえ握ってしまえば、なにをやっても許される現実を
見て育っている。

若者グループの詐欺行為の氾濫。それを生活の身近に感じて、
疑心暗鬼の中で育っている。

児童から10代前半にとっては、社会はとうてい信じられるものではない。
おそらく。身近な親友にしか本当のことを打ち明けられないような…。
それによって、逆に、生まれた友情は相当に深まるであろうが。
昨今、家族の絆が回復しつつあるのも、一概に好ましい状況とも言えない。
社会が、他人が、信じるに足りないから、利害共同関係にある家族しか、
信用していられない…という社会認識もその背景となっているのだろう。

1980年代から友情が臭く野暮ったいものとなったのも、逆に言えば、
社会が信頼に足る存在になっていたからだろう。それが当たり前すぎ
であるからこそ、社会に過剰な、他人に聖人のような高望みを、すら
できたのだと。
ただ、それによって、他人を苦しめ、絶望的閉塞感までもを産み出した
のだが…。(市場経済至上主義なマスメディアの力によって、財布の緩い
20代の雰囲気が、さも世間の6割のように作用される構造がある。)

今、社会に出ようとしてる若者が、素直に理想を理想として語れるのが
喜ばしいことだ。偽悪を振る舞わなければならいような空気を、微塵も
感じていないように見えるのが微笑ましい。

昨今の大学生に明らかな質の低下と嘆く声もあるが…、
むしろ健全なのだと言える側面もあるのではなかろうか?
素直に向き合えば、乾いたタオルのように知識を吸収してくれるのでは?
高等教育を無駄無く効率的に叩き込むチャンスとも捉えられるのでは?

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